こ〜たろ〜 の 「介護放浪記」

福祉・介護の世界で着のみ着のままに放浪中~!息抜き8割、本業2割、でなきゃ続けていけません…。

就労継続支援/A型•B型事業所

 皆さん、こんにちは!

 

梅雨の中休みもそこそこに暫くこんな天気が続くようですね!💦

 

気圧の関係で体調を崩されている方もいるのではないでしょうか?

 

こんな時は、ちょっとしたことでイラッとしたり、何気ない一言で落ち込んだりもします。

 

なるべく心をフラットに、リラックスできる時間を待ちましょうね!

 

 

さて、お題の"就労継続支援"ですが、先日、二つのケースで大きく支援が変わることがありました。

 

Nさん:70歳女性、身体障害者手帳1級所持、就労意欲有り。

Hさん:54歳男性、自立支援医療費制度利用、就労意欲無し。

 

現在、Nさんの就労支援をする過程において、障害者職業センターで職業評価を本人の体調に合わせて三日間程に分けて丁寧に評価して頂きました。

 

元々、20代~30代の頃に事務経験のあるNさんは、数字の計算や文字解読は高評価でした。しかし、手作業による組立てなどの軽作業は苦手と分かりました。

 

評価としては就労継続支援A型の就労も可能と評価されましたが、ここで問題が一つ浮かび上がってきます。

 

年齢制限です…

 

A型事業は、定年制がほとんどの事業所で設けられています。

 

十分に就労能力や就労意欲もあるのですが、年齢で就労継続支援A型が活用できないという現実に突き当たりました…。

 

ただ、Nさんはとても意欲があり就労継続支援B型でも「がんばりたい!」と仰られ、現在就労に向けて支援中です。

 

 

一方、Hさんは54歳、この条件でいうと就労継続支援A型を活用できるということになります。

しかし、Hさんに関しては、86歳になる母親の扶養に入っており、亡くなった父親の遺族年金で母親と一緒に生活をしています。そんな事情ですので、就労意欲というより就労の必要性をご本人は感じていません。

 

現在は、数年先に母親がおられなくなった時の為の支援を長期的に進めています。

 

 

では、先ほどからA型やB型とワードが出てきていますが、ここで簡単に就労継続支援事業のA型・B型についての違いと、継続支援の先にある移行支援、定着支援も合わせて説明したいと思います。

 

 

1.就労継続支援 A型・B型とは?

 

継続就労支援は、一般的な事業所で働くことが難しい障がいのある方に向けた、職業訓練や生産活動を支援するサービスです。

年齢制限などはありますが、利用期間の制限はありません。

この就労継続支援には、どんな人を対象とするか、どんな支援をおこなうかで就労継続支援A型就労継続支援B型の2つがあります。 

1-1.就労継続支援A型

就労継続支援A型の大きな特徴としては、事業所と雇用契約を結ぶことが挙げられます。

そのため雇用型とも呼ばれ、定められた給与も支払われます。

対象は18歳以上65歳未満雇用契約に基づいた勤務が可能なものの、障がい・難病などにより一般企業への就職が難しい人です。

労働者として働きながら、同時に訓練も受けて就職のための知識・能力を身につけていきます。ここからさらに就労移行訓練を経て、一般企業への就職ができるように支援をおこないます。

 

1-2.就労継続支援B型

就労継続支援B型では、事業所との間に雇用契約は結ばないので、非雇用型とも呼ばれています。A型の仕事の内容が難しい障がい者、年齢・体力などから一般の企業で働くことができなくなった人などが対象です。

以下のいずれかに当てはまることが条件です。

1. 就労経験がある者であって、年齢や体力の面で一般企業に雇用されることが困難となった者
2. 50歳に達している者または障害基礎年金一級受給者
3. 1及び2に該当しない者で、就労移行支援事業者等によるアセスメントにより、就労面に関わる課題等の把握が行われている者

                                 引用:厚生労働省/ 障害者の就労支援について

 

利用者には作業訓練などを通じて生産活動をおこなってもらい、できたものに対して賃金が支払われる仕組みです。

更に、訓練を積んで就労継続支援A型、就労移行支援を受けることも可能です。

 

また、収入面でも大きく変わってきます。雇用契約を結ぶA型は、各都道府県が決める最低賃金額以上が時給で支払われます。B型では月の収入が平均数千円から1~2万円というのに対し、A型は労働時間数によって4~5万円から7~8万円とパートさん並みの収入を得られます。

 

 

就労移行支援A型とB型の違い

2.就労移行”支援との違い

就労 “継続” 支援は対象者が事業所の中で働くのに対し、就労 “移行” 支援は事業所で訓練を受けながら一般企業への就職を目指すもの、「一般企業に就労したい」という障がい者が対象です。

支援を受けられる年齢は18歳〜65歳未満までで、利用できるのは原則として2年まで。必要性があれば、最大12ヶ月の更新が可能です。

就労移行支援の特徴としては①職業訓練 ②職場探し ③職場への定着支援 の3つの役割があります。

職業訓練の内容としては、ビジネスマナー、挨拶などのコミュニケーショントレーニング、パソコンの活用方法、基本的な読み書き・計算などのほか、意外と誰もが知っているようで知らない正しい履歴書の書き方なども習うことができます。

更に、その人に合わせた能力開発訓練や職場見学などもおこないます。

職場探しの支援では、その人の適性に応じた職場を探す必要があり、また職場の理解と協力も必要となります。一般企業やハローワーク障害者職業センター、障害者就業・生活支援センターなどと連携して利用者にとってよりよい職場探しをおこないます。

職場定着のためのサポートは、就職後も6ヶ月間は面談をおこなって、職場定着のための相談・問題などを解決します。

私も以前に勤めていた職場では、職場定着までの間、毎月ジョブコーチが訪問し面談などに立ち会いました。

 

3.就労定着”支援との違い

 

就労定着支援とは、その名の通り、職場への定着支援をおこなうサービスです。

今までも就労移行支援には定着支援サービスがあったのですが、自立を目指す障がい者の方が増えてきたことから、独立した制度として2018年にスタートすることになりました。

就労定着支援の対象となるのは、就労継続支援や就労移行支援、そのほか自立訓練サービスなどを経験して障がい者雇用枠での就労を含め一般就労した人です。

サービスは「働きやすい環境づくりのお手伝い」で、就労移行支援後の6ヶ月サポートが終わった、さらに半年後から受けられるようになり、1年ごとに更新、最長で3年間利用することができます。

具体的な支援の内容としては、障がい者が実際に働いてみて出てきた悩みやトラブルへの対応となります。

例えば…

・上司や同僚と上手にコミュニケーションが取れない

・一生懸命に頑張ってはいるもののミスが多く周囲から指摘される

・生活リズムが変わったため朝起きられない          など。

こういった問題を解消するために、都度、面談をしたり、職場の方から話を聞いて問題点を探ったりと、適切なフォローをします。

 

4.就労支援のなりたち

 

これまで就労継続支援・就労移行支援・就労定着支援の3つを話してきました。

更に、それぞれの支援制度ができた背景を知っておくと、より理解が深まるので、ここで簡単に説明しましょう。

 

 

障害者雇用促進法が施行されたのは1976年のこと。法律が施行されるのと同時に就労継続支援がスタートしました。それまで、障がい者が就職するのはなかなか難しい時代でした。

 

 

法律の施行後、「就労継続支援A型」「就労継続支援B型」の福祉サービスを利用して、多くの障がい者が仕事のやり方や作業訓練を学びながら、就職していきました。

それからしばらく経ち、2006年障害者自立支援法が施行され、就労移行支援がスタートしました。

これは障がい者福祉施設でなく、一般企業などに就職できるよう支援する制度です。就労移行支援事業所で就職に必要なことを学んで、一般企業に就職する人の数も増えました。

「就労継続支援」と「就労移行支援」の2つにより、就労する障がい者の数は確実に増加する一方、その後の継続就労調査をおこなうと、就職後の早期に離職してしまうケースが多いということがわかってきました。

障がい者が就職するまで手厚い福祉サービスがあっても、職場に定着のするための精神面、生活面でのフォローが何もなかったことが原因だと考えられます。

この課題に対応するため、2018年に新設されたのが就労定着支援事業です。

このような時代の流れの中で、就労継続支援→就労移行支援→就労定着支援という順番に制度ができていきました。

 

5.まとめ

厚生労働省の発表した資料によると、障がい者の雇用者数はここ10年で43,987件から93,229件と大幅に増加しています。

しかし残念なことに、就職1年後の職場定着率は約49〜70%。つまり離職率は3〜5割にもなっています。自分に合った仕事・職場」を探すことは、障がい者にとって、なかなか難しいのかもしれません。

数値引用:厚生労働省/ 障害者雇用の現状等

 

障がい者職業訓練や生産活動を支援す「就労継続支援」。一般企業への就労を目指し職業訓練、職場探し・職場への定着の支援をおこなう「就労移行支援」。就労移行支援後にさらにサポートし職場定着を促す「就労定着支援」。利用者はそれぞれの性質や特徴を理解して、自分に合うものを利用することがとても大切になってきます。

また、支援事業所は全国で見ればまだまだ不足しています。今後も継続的に社会全体でサポートできる体制作りが必要です。

そして、多くの方にこのような支援事業があることを周知していくことが重要だと考えます。

 

もし、就労意欲のある方や就職で悩まれている方がいましたら、各市町村の窓口(社会福祉課など)へ相談をされてはいかがでしょうか。必要に応じて支援団体や事業所を紹介して頂けると思います。

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8050問題(ハチマルゴーマル)

 

はじめに

最近、この8050問題にあたるケースが増えている。

 

自分自身もまさにこの50世代に差し掛かろうとしているから余計に人ごとに思えない。

 

みなさんは、「8050問題」という言葉を聞いたことがあるかな?

「80」代の親が「50」代の子どもの生活を支えるという問題です。

背景にあるのは子どもの「ひきこもり」。

 

ひきこもりという言葉が社会に出始めるようになった1980年代~90年代は若者の問題とされていましたが、そこから約30年が経ち、当時10代~20代の若者が40代から50代に。

その親が70代から80代となり、長期高齢化。

こうした親子が社会的に孤立しここ数年、生活が立ち行かなくなる深刻なケースが目立ちはじめている。

 

記憶にも新しい2019年5月に起きた「川崎市登戸・無差別殺傷事件」。

そして翌月の「練馬区・元農水事務次官による長男殺害事件」がきっかけとなって、世間でも「8050問題」に注目が集まるようになった。

 

内閣府の調査結果

2019年3月29日に内閣府が発表した調査結果によると、自宅に半年以上閉じこもり、外出時にも社会との接点を持たない40歳から64歳までの「中高年引きこもり」は推計で約61万3000人いるという。

7割以上が男性で、ひきこもり期間7年以上の者が約半数。注目すべきはその人数だけではなく、15歳から39歳までの「若者」のひきこもりの推計人数54万1000人を、40代以上が上回ったことだ。

例えば佐賀県の調査では、40代以上がひきこもり層全体の7割を超えている。

さらに長期化という意味でも、例えば茨城県の調査では10年以上が4割を超えるというデータがでており、長期高年齢化というのは全国的な傾向にあるのではないかと考える。

 

8050問題 背景はひきこもりの長期高齢化

長期高齢化するひきこもり。

その理由は、現在の社会構造にも原因があると考える。

必ずしも、不登校の延長だけではなく、誰でもひきこもりの状態になり得るという状況が今あると思う。

1つには、一度レールから外れるとなかなか戻れない社会の構造になっているということがある。

履歴書社会で雇用関係も大きく変わってきて、コスト競争などが激しくなり、非正規や派遣の数も増大している。

そういう中で、非常に職場の環境自体がブラック化し、そこで傷つけられる、あるいはものすごい過密スケジュールや厳しいノルマの中で働かされる。

「自分がこのまま職場にいたら壊されてしまうのでは?」という危機感から、防衛反応としてひきこもらざるを得ない人たちが増えているという現状があるのでは?と思うところもある。

 

精神疾患や障害が要因になっている場合以外にも要因が

私が関わってきたケースには精神疾患や障害があるという方が多く見受けられたが、必ずしもそういう方ばかりではないと考えている。

ひきこもりの方たちの中には確かに精神疾患を抱えた人たちもいるが、一方で社会的ストレスで、今の生きている社会から自分を守るために、命を守るために、あるいは尊厳を守るためにひきこもらざるを得なくなっている人たちが、最近増えているような傾向がある。

 

特に若い世代に多いのは、働くことや社会に出ることの必要性を初めから持てないケース。

現在はインターネットの普及により、部屋にパソコンさえあればチャットツールやオンラインゲームなどを介して他人と接触することが可能。

この結果、バーチャル空間に完全に依存してしまい、部屋にこもって一日中インターネットに没頭する若者が増えてきているのも事実。

同時に、職や技能を持たず、それに対する習練なども一切おこなわない「ニート」と呼ばれる若者も増えてきた。

 

親の介護を機に、引きこもりになるケースもある。

「介護離職」という言葉があるが、無事に親を看取ったにもかかわらず、仕事をしていなかったブランクが影響して再就職先が見つからず、絶望感からそのまま引きこもってしまう。

介護休暇や介護離職に対する世間の理解がまだまだ低く、このあたりの意識改革も社会に求められている。

 

多くのケースに共通して言えることだが、何かのきっかけで自信をなくし、自分は世間から必要とされていないと思い込む孤独感が、引きこもりや8050問題に拍車をかけているのではないかと考える。

 

知られたくないから隠す 社会につながれないひきこもり

世間には、支援とつながってない人たちがたくさんいる。

家族そのものが社会や支援と全くつながってないというケースがある。

例えば今、医療も受けられなかったり、生活保護にしても、障害の手帳にしても、それを認めない、自分の子どもがそういう状態だと認めないという思いから、親によって隠されてしまうというケース。

全く社会と関係性を持たない。

うまく表現をするのは難しいが、ある意味、軟禁状態におかれていることが続きこれが長期化してしまう。

すると、本人たちは社会との関係性もなく孤立が慢性化し、これからどうすればいいのか、どう生きていけばいいのかなどが分からなくなっている状態で生活をしているのではないだろうか。

 

何故、認めたくないのか

では、どうして『認めない』ことになってしまうのか?

ひきこもることが恥だと親も思い込まされているのだろうか?

生きるっていうことがいちばん大事なはずなのに、生きることよりも、他人との比較とか、評価とか、横並び的に考えてしまう。

自分の子どもに障害があったり、ひきこもっていることが恥ずかしい、と。

あまり知られたくないという感情の方が、生きることよりも優先されてしまうという現状がある、と感じる。

働くことが前提というふうに社会が設計されているので、親も本人たちも『働かない自分はダメなんだ』と否定に入ってしまって、どんどん追い詰められている感じがしてしまう。

人には、いろんな生き方がある。

多様な生き方がある。

ということを、もっと家族が認めて肯定しないと状況は改善していかないと思う。

彼らの家族には、とても難しいことかも知れないが。

 

厳しいが現実を見ると

彼らを含め家族は大変な思いをして来たかも知れない。

しかし、この問題は、支援に携わっている私だからあえていう。

どのような理由があるにせよ、事実、何よりも彼らを「見えない」存在にしてきたのは、実の親だ。

理解のない社会があるのも現実だが、、、。

 

家にひきこもりがいるのは「恥だ」と考える根強い文化に基づき、親がその存在を社会からひた隠しにし、「見えない」存在にしてきたことが、ひきこもりを長期化させ、中高年ひきこもりという存在を作った最大の要因であることは間違いない。

 

確かに、元農水事務次官が40代ひきこもりの息子を殺した事件も、息子の存在をひた隠しにしてきた結果として起きたものだった。そうやって多くの親がひきこもりの子の存在を隠し続けた結果、「8050問題」に至ったということを私は日々の支援の中で痛感している。

 

就労ありきではない多様な支援を

日々思うことは、長期高齢化するひきこもりの対策として、就労ありきという古い考え方を見直すべきだと思う。

 

就労というのが1つのゴールになっていて、就労ありきの支援というものしか事実上なかったのだと思う。

支援のメニューの選択肢が少なすぎたのだ。

実態調査を行って、課題が何なのか、何を当事者たちが求めているのかを知った上でメニューを構築していくべきだ。

 

ひきこもりが長期高齢化している人たちがいる中で、これからどのような支援が必要なのだろうか?

 

現在進行形で支援している50代のひきこもり男性の介入当時の声

「僕自身のいちばんの不安は、やはり金銭面と生活面です。『母が生きているうちに、なんとか自立したい!』と思って、これまでいろいろ頑張ってきました」

 

「でも、何度も面接受けましたが全て不採用。父の遺族年金で現在は母と二人暮らしです」

 

「今は母がいるから生活できますが、この先の事を考えると…」

 

「頭で理解はしているのですが、今は仕事をする気力がなくて…」

 

「どうしたらよいか分からくて、毎日不安でたまらない日々を過ごしています」

 

ひきこもり地域支援センター

厚生労働省が、ひきこもりに特化した専門的な第一次相談窓口として、都道府県や政令指定都市には「ひきこもり地域支援センター」を設置している。
このセンターは、ひきこもりの状態にある本人や家族が、地域の中でまずどこに相談したらよいかを明確にすることによって、より適切な支援に結びつきやすくすることを目的としている。

 

本センターに配置される社会福祉士精神保健福祉士臨床心理士等ひきこもり支援コーディネーターを中心に、地域における関係機関とのネットワークの構築や、ひきこもり対策にとって必要な情報を広く提供するといった地域におけるひきこもり支援の拠点としての役割を担っている。

 

支援の対象を39歳までと年齢で区切ってしまっている場合は、住所地の市町村にある「生活困窮者支援窓口」へ連絡を。

「生活困窮」という名前ではあるが、ひきこもっている本人や家族の相談・支援も行っている。

行政担当窓口一覧 – 特定非営利活動法人KHJ全国ひきこもり家族会連合会

 

「家庭の問題」で片づけるのではなく、周囲の助けを借りる勇気が大事

いったん引きこもり状態になった人が、再び社会と接点を持つようになることはそう簡単ではないが、解決できる道は必ずあるはず。

 

まずは、住所地にある市区町村の福祉課に相談してみること。

ソーシャルワーカーが社会復帰への後押しをしてくれるはず。

また、就労に関しては、ダイバーシティ(多様性)を認める社会へと変革しつつある現在、一定規模の企業は障がい者雇用も積極的に行っている。

 

しかし、8050問題が長期化する理由に、外部はおろか家族にさえも固く心を閉ざしてしまっている人も多くいる。

こういった人たちが簡単に説得に応じてくれることは難しく、就労はおろか部屋の外に出てきてくれることさえ困難を極める。

 

こういった場合、急に「仕事に就く」という目標を課すのではなく、まずは人と目を合わせて話を聞くことから始める。

徐々に信頼関係を築いていき、部屋の外から一歩出て、最低限のコミュニケーションが図れるように持っていくことが望まれる。

 

焦らず、人と関わる事に少しずつ慣れてもらう。

 

長きにわたり引きこもり支援を専門におこなうNPO団体も数多くある。

地域活動支援センター・障害者支援施設(自立訓練)・就労移行支援、こういった事業所の人たちの知恵や経験を生かし、人と触れ合うことの意義や楽しさを少しずつ思い出してもらうことも重要となる。

 

また、都道府県には障害者職業センターが設置されている。

ここでは、障害者職業カウンセラーが職業に関する相談や助言を行い、個々の状況に応じた支援計画を策定し、職業準備支援・職場復帰支援・事業主支援といった就職・復職・職場定着を目指した支援をここに合わせて行ってくれる。

 

まとめ

私は、今回のテーマの専門支援機関の職員ではない。

しかし、間接的に多くのケースが飛び込んでくる。

 

今もなお、社会や誰とも関われないでいる彼らや家族に伝えたい。

 

ひきこもりの子どもを抱える家族は、外部(都道府県が運営する「ひきこもり支援センター」など)に向けてSOSを出してほしい

 

そしてもうひとつ、地域に中高年ひきこもりのための「居場所」をつくる必要性がある。

知られていないだけで、少なからずそういった「居場所」は存在している。

いきなり就労という高いハードルを課すのではなく、まずは家から出て、日中、過ごせる場所をつくるということだ。

 

「そこまでする必要があるのか」と感じる人もいるかもしれない。

 

しかし、私たちは、中高年ひきこもりの存在を意識し、「そこからどうするべきか」を考える段階に来ている。

 

私達の周りにも、声を出せずに、助けを求められずにいる彼らや家族がいる。

 

声にならない声が誰かに伝われば、必ず何かが変わるはず。

 

ちょっとしたSOS、信号を感じ取れるようになれたら…

 

日々の仕事から、そんなことを痛感させてくれる。

 

 

 

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介護現場に復帰で40万円

介護現場に復帰で40万円 2年働けば免除の再就職貸付(準備金)を全国展開へ

福祉新聞に取り上げられた記事で介護の現場で気になる内容が載っていました。

介護現場に復帰する経験者を対象

厚生労働省は全国の介護現場に復帰する経験者に対して、最大40万円を貸し付ける方針を固めたらしい。
この貸付金は、復帰者が2年間介護の仕事を続ければ返済は免除されるというもの。
新型コロナウイルスの影響で高齢者施設だけでなく、訪問介護通所介護現場でも業務が増大し、人手不足がさらに深刻化していることから、即戦力となる経験者を呼び戻す狙いがあるようだ。

第2次補正予算案に計上

厚労省は、これまで全国で行っていた介護福祉士修学資金等貸付制度の再就職準備金貸付事業を拡大して対応するとしている。実施主体は都道府県などで、国は10分の9を負担するもので、第2次補正予算案に計上した。

対象となる資格や経験年数は?

対象は介護福祉士ホームヘルパー1級・2級、実務者研修修了者や初任者研修修了など介護系の資格を持ち、現場経験が1年以上ある人が対象。
しかし、残念ながら介護支援専門員や社会福祉士など直接介護に携わらない職種は対象外となるようだ。
都道府県にある福祉人材センターに届け出て、計画書などを作成して申請する。

上限が40万円? 返済免除も?

貸付金となる準備金の金額は自分で決める。その使い道は基本的に自由だが、仕事に使用するカバンや通勤に使用する自転車・バイクの購入費などを想定しているとのこと。職場復帰に際し転居を伴う場合は、敷金礼金などにも使えるという。また、2年間、介護職員として働けば返済は免除される。

厚労省の思惑は

実施は補正予算成立日から。同事業拡大の狙いについて厚労省社会・援護局福祉基盤課は「離職にはさまざまな事情があるので、準備金が介護現場への復帰につながり、その後も定着していただければ」と話している。
復帰をしてもらえたら、疲弊しきった現場は本当にありがたいが、今なお働き続けている介護職へのサポートが足りない気がしてやまないのは私だけだろうか。

再就職貸付制度

同事業は2016年から開始された制度。これまでは介護分野の有効求人倍率が高い首都圏や東日本大震災の被災地など14都府県が上限40万円で、そのほかの道府県は上限20万円という縛りのある制度だった。しかし、世界的に広がったコロナショック。元々全国的に人材不足だった介護業界では追い打ちをかけるように学校の休校や在宅ワークで仕事に出れない介護職も急増した。
そのような現状も踏まえ今回、全国一律で40万円に引き上げることを決めたようだ。この制度を活用し以前に復帰したのは18年度の貸付実績で596人。
今回のこの試み、厚労省の思惑通りに事は進むのだろうか。

日本介護福祉士会から要望

同事業の拡大について、日本介護福祉士会の石本淳也会長は「介護現場へ復帰するきっかけの一つとして、効果的に活用されることを期待したい」と指摘。同時に「準備金を知っている人はどれほどいるのか。厚労省には積極的な制度の広報もお願いしたい」と要望をしている。

まとめ

ニュースやSNSでも取り上げられ医療現場の深刻さは誰もが知るところだが、介護業界の実情を知っている人は少ないと思う。
人手不足でも利用者や入居者は待ってくれない。生活を支えるということは必ず誰かが対応をしている。休みを削り残業をして何とかやりくりをしている。しかし、先の見えないゴールのない業務に何時安堵できるのか。
私も後方支援で安否の確認に日々訪問しているが、国には、もっとスピーディーな対応を求めたい。

自立支援医療制度(精神通院医療)について

自立支援医療(精神通院医療)ってどんな制度?自己負担額や具体的な申請方法、更新についてまとめて解説します

 
 

 

 
自立支援医療(精神通院医療)は、精神疾患の治療に掛かる医療費を軽減する公的な制度です。経済的な負担や不安を軽くすることで、体調の安定や治療への専念などにつなげることができます。私が支援している中での体験などを交えて、ここでは詳しい申請方法をはじめ、自己負担がどの程度軽減されるのか、利用する上での留意点などについて解説します。
 

自立支援医療(精神通院医療)とは

自立支援医療とは、心身の障害に対する医療費の自己負担を軽減する公的な制度で、都道府県や指定都市が実施主体として運用されています。

 

 
  • 精神通院医療(精神疾患の治療)
  • 更生医療(身体障害の治療など)
  • 育成医療(身体障害がある子どもの治療)
 
の3種類がありますが、ここでは精神通院医療について詳しく紹介していきます。
 
自立支援医療(精神通院医療)は、すべての精神疾患を対象に、通院による継続的な治療が必要な人が申請・利用できる制度です。通院する医療機関も様々で、メンタルクリニック・精神科・脳神経内科心療内科などがあります。
 
この制度は指定の医療機関・薬局のみで利用可能なものですが、通常3割負担の医療費が1割負担まで軽減されます。また世帯所得や治療内容に応じて月あたりの自己負担に上限が定められるため、原則として上限を超える分の医療費は負担しなくて良いことになっています。
 
制度の対象になる医療は、通院・デイケア訪問看護で、入院は対象外です。デイケア訪問看護での制度適用の内容や自己負担額については通院の場合と同様です。
 
なお、本人以外には、職場などに連絡が行くこともないため、安心して利用することができます。誰でもがかかるかも知れない心の病。周りの理解は徐々に広まりつつありますが、まだ不十分なことも否めません。
 
精神疾患の治療は長期におよぶことも少なくなく、その間にかかる医療費は経済的にも精神的にも不安材料になりがちです。自立支援医療(精神通院医療)はそういった負担を軽くし、少しでも治療に専念できるようにしてくれます。まずは、かかりつけの医療機関に相談してみるのも一つの方法です。その地域の窓口を教えてくれます。
 
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自己負担はどのくらい軽減される?

公的医療保険による医療費の自己負担額は通常3割となっていますが、自立支援制度(精神通院)の併用により、これが原則1割まで軽減されます。
 
さらに世帯所得(納税額)による区分が設けられており、所得が一定未満の人に対しては月あたりの自己負担額に上限が設定されています。上限を超えた分は公費で賄われるため、ひと月に上限額以上の医療費を支払う必要がなくなります。
 
また統合失調症など、高額な治療を長期間続けなければならない人は「重度かつ継続」という区分が適用され、別枠で自己負担額の上限が設定されます。この「重度かつ継続」については後で詳しく解説します。
 
自己負担額と世帯所得の関係は以下の表のようになっています。

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例えば、月あたりの上限額が5,000円と設定されている場合に、病院の診療で1,500円、薬局の処方で7,000円、合計8,500円の費用が発生したとします。このとき上限額は5,000円と設定されているため、超過した3,500円については公費で支払われることになり、自己負担にはなりません。
 
区分が「一定所得以上」の場合は自己負担額の上限が設定されていませんが、医療費は1割負担となります。なおこの場合でも後述の「重度かつ継続」に該当するときは、自己負担額の上限が設定されています。
 
参考文献
厚生労働省「自立支援医療(精神通院医療)について」
横須賀市「もっとくわしく-自立支援医療(精神通院)」

 

 

「重度かつ継続」について

 

厚生労働省によれば、「重度かつ継続」には以下のような場合が対象となります。
 
・(直近の1年間で高額な治療を継続して行い、国民健康保険などの公的医療保険の「高額療養費」の支給を4回以上受けた方 ・①~⑤の精神疾患の方(カッコ内は ICD-10(疾病及び関連保健問題 の国際統計分類)による分類) ①症状性を含む器質性精神障害(F0)  (例)高次脳機能障害認知症 など ②精神作用物質使用による精神及び行動の障害(F1)  (例)アルコール依存症、薬物依存症 など ③統合失調症統合失調症型障害及び妄想性障害(F2) ④気分障害(F3)  (例)うつ病躁うつ病 など ⑤てんかん(G40) ・3年以上精神医療を経験している医師から、情動及び行動の障害又は 不安及び不穏状態を示すことから入院によらない計画的かつ集中的な精神医療(状態の維持、悪化予防のための医療を含む)が続けて必要であると判断された方
 
「重度かつ継続」に該当する場合、上限額の設定がない「中間所得1」以上の所得区分に該当する場合であっても、上の表のように自己負担額に上限が設定されます。
 

 自立支援医療(精神通院医療)の申請方法

申請を行う場合、市区町村の障害福祉課などが窓口になります。次の書類を揃えて窓口に行き、手続きを行うことで制度の適用が受けられます。
 
手続きの際には自治体の定めた「指定医療機関」の中から病院と薬局を指定し、そこでのみ制度の適用が受けられるようになります。現在通院している病院や薬局が「指定医療機関」になっているかどうかは、役所などに問い合わせることで確認できます。
 

申請に必要な書類

 

申請書(支給認定申請書)

役所に用意してあるため、その場で記入を行います。捺印が必要なので忘れずに印鑑を持っていってください。なお、最近は、役所のホームページから申請書をダウンロードできるところも増えてきました。

主治医の診断書
自立支援医療申請用のものをあらかじめ医師に用意してもらう必要があります。「重度かつ継続」の場合は診断書の様式が通常と異なる場合もあります。いずれの場合も事前に主治医に自立支援医療を利用したい旨を相談しておくと良いです。私が担当する地域は、市役所で診断書の用紙を頂く事ができます。
 
また入院は自立支援制度の対象外で、退院後の通院より制度の対象となります。したがって退院後、円滑に制度が適応できるように、入院中に予め担当医へ相談しておくとよいでしょう。入院ができる医療機関には入院患者支援窓口や退院支援窓口、地域医療連携室などを設置しているところも増えてきました。
 世帯所得が確認できる書類
課税証明書・非課税証明書や生活保護受給証明書など、所得状況を証明する書類です。窓口は別ですが、役所で手に入ります。小さな市町村では、必要のないところもあります。
 健康保険証
写しでも良い場合がありますが、原本を持っていくと確実です。
 マイナンバーが分かるもの
マイナンバー制度の施行にともない、申請書にマイナンバーの記入が必要な場合があります。その際にはマイナンバーカードやマイナンバー通知書など、番号がわかる書類を用意しましょう。まだ、マイナンバーカードの普及率は低く、中には通知書を紛失されている方もおられます。そのような場合は、受付窓口に相談をしてみてください。
 
自治体によっては必要書類が異なる場合があるため、あらかじめ担当課や地域の保健福祉センターなどに問い合わせておくと良いと思います。

受給者証が届くまではどうすればいい?

自立支援医療(精神通院医療)の適用を受けるには、申請の際に交付される「自己負担上限額管理票」と、申請後に送られてくる「受給者証」を医療機関などに提示しなければなりません。
 
受給者証は申請が受理されてから届くまで時間がかかります。その間は自立支援医療の申請書の控えを受給者証の代用として、「自己負担上限額管理票」とセットで提示することで制度が適用される場合があります。
 
ただし、全国すべての指定医療機関でこの方法が通じるわけではないため、医療機関・薬局にあらかじめ問い合わせておくと良いでしょう。私が担当する地域は、平均1ヶ月程で交付されています。

医療費の払い戻しについて

申請書の控えで受給者証の代用ができない場合は制度が適用されず、医療費は3割負担となります。この場合は受給者証が届いた後に届くまでの期間で余分に負担した医療費の払い戻しを受けられます。他の制度でも時々聞く償還払い制度です。
 
払い戻しの手続きは医療機関または役所で行います。このとき次の書類が必要になります。
受給者証
  • 自己負担上限額管理票
  • 3割負担で医療費を支払ったときの領収書の原本
 
この中で特に領収書は処分してしまわないように大切に保管しておく必要があります。医療機関によっては、領収書の再発行ができないところまありますので注意してください。なお、医療機関自治体によって必要書類などが若干異なる場合があるため、事前に確認しておくと安心です。
 

自立支援医療(精神通院医療)の更新

自立支援医療(精神通院医療)は1年ごとに更新する必要があります。受給者証には有効期限が記載されていますが、おおむね有効期限終了の3ヶ月ほど前から更新手続きができます。
 
更新は初回の申請と同じく、役所の障害福祉課などの窓口で行います。
 
このとき以下の書類が必要になります。
 
  • 申請書
  • 印鑑
  • 診断書(※2年に1回必要):自立支援医療用の診断書ですが、治療内容や方針に大きな変更がない場合、原則として2年に1回の提出で良いことになっています。そのため、初めての更新では基本的に必要ありません。
  • 受給者証:新しいものと交換する必要があるため、古いものはここで提出します。
  • 保険証
  • マイナンバーが分かるもの
 
その他自治体によって必要書類が若干異なる場合があります。直接問い合わせたり自治体のWebサイトを参照するなど、事前に確認しておくと安心です。
 

更新をせずに期限が切れてしまった場合

有効期限終了までに更新ができなかった場合は「再開申請」の手続きが必要になります。このときは更新と異なり必ず医師の診断書が必要になりますので気を付けてください。
 
再開申請をしない限りは自立支援医療の適用はされず、期限切れから再開までの間に病院に行った場合の医療費は3割負担となります。
 
この場合は「受給者証が届くまで」と異なり、遡って医療費の払い戻しを受けることはできないため、注意してください。

自立支援医療(精神通院医療)における注意点とは?

自立支援医療(精神通院医療)の制度を利用する場合は、以下のような注意点があります。

「指定医療機関」でしか利用できない

制度が適用されるのは都道府県が定めた「指定医療機関」であり、申請の際にその中から病院と薬局をセットで定めます。ここで指定した医療機関以外では制度の適用がないほか、全国すべての医療機関が「指定医療機関」であるとは限りません。

受給者証と限度額管理票を毎回提示しなければならない

これを忘れてしまうとその回は医療費軽減が受けられないこともあり、後で払い戻しの手続きが必要になるなど、手間が増えてしまいます。医療保険証と一緒にしてくなど、保管には工夫をしておいた方が良いと思います。

受給者証が届くまで時間がかかる

申請書の控えで代用できる場合もありますが、そうでないときは後から払い戻しの手続きが必要です。

1年ごとに更新が必要

有効期限終了から再開までの間にかかった医療費の払い戻しができない点に注意が必要です。
 

まとめ

自立支援医療は自己負担額の区分などの仕組みがやや複雑ではありますが、精神疾患の治療におけるお金についての負担や不安を軽くするという意味ではとても有用な制度です。
 
通院が必要なケースの多い精神疾患の治療の場合、少しでも不安を減らして治療に専念することが重要です。お金の心配は心に負担をかけてしまうこともあります。そういった経済面の負担や不安を和らげる方法として、自立支援医療は力を発揮します。
 
申請時に診断書が必要なこともあるため、利用を検討している場合はまず主治医に相談するのが良いでしょう。医療機関によっては「毎回受給者証と自己負担上限額管理票を見せてください」といったように、実際利用する上での注意点などを教えてくれる場合もあります。
 
また更新が近づいた場合もその旨を病院が教えてくれる場合もあります。自立支援医療そのものは公的な制度ですが、知らずに制度を利用しておられない方もまだまだ多く、私たちが関わり初めて知るケースもあります。病院への相談や連携をしっかりしておくと更に円滑に制度を活用することができます。
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参考文献
厚生労働省「自立支援医療」
厚生労働省「自立支援医療(精神通院医療)について」
東京都福祉保健局「自立支援医療」

新型コロナウイルス感染拡大で失業された方へ「住居確保給付金」の対象を拡大

 

新型コロナウイルスの感染拡大で仕事を失った人(失業者)などに家賃を支給する制度について厚生労働省は対象を収入が激減した人やフリーランスにも広げ、今月末からは手続きを簡略化する方針です。

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「住居確保給付金」とは?

「住居確保給付金」は仕事を失った人のうち、住まいも失ったり、家賃を払えなかったりする人に国や自治体が原則3か月間、一定額を上限に家賃を支給する制度です。

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本来、この住居確保給付金という制度は…

 廃業や離職で仕事を失った人が対象で、就職活動中の家賃を原則として3か月間、最長で9か月間、受け取れます。世帯の生計を支えていたものの2年以内に仕事を失い、ハローワークを通じて求職の申し込みをしていることなどが条件で、世帯収入と預貯金に一定の基準が設けられています。また、この基準は地域によって異なっています。

という制度なのですが…

 今回の新型コロナウイルスの感染拡大を受けて…

 厚生労働省は今月20日から、失業した人と同じ程度に収入が落ち込んだ人やフリーランスにも対象を広げました。

週4日から5日働いていたフリーランスの人が2、3日程度しか働けなくなったり、勤務先が休業して、掛け持ちしていたアルバイトが2つから1つに減ったりした場合なども対象になるということです。

また、給付金を受けるのに必要だったハローワークへの求職の申し込みも今月30日から不要にするとしています。

給付金に関する相談は、自治体や各地の社会福祉協議会などで受け付けています。

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 家賃払えない人など支援「住居確保給付金」活用を呼びかけ

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で仕事を失っただけでなく、住まいも失ったり、家賃を払えなくなったりする人が増えるおそれがあり、国はこうした人たちに家賃を支給する「住居確保給付金」の活用を呼びかけています。 

東京都を例に…

 例えば東京の中心部などでは、

2人世帯の場合、月収19万4000円、預貯金78万円以下で、毎月6万4000円を上限に支給されます。

単身世帯の場合、月収13万7700円、預貯金50万4000円以下となっていて、毎月5万3700円を上限に支給されます。 

申請時に必要なものは? 

申請には、運転免許証などの本人確認の書類や失業中であることを証明する書類、それに世帯収入や預貯金が確認できる資料などが必要です。

ただ、自治体によって書類や資料が異なるケースもあるため、都道府県など全国およそ1300か所に設置されている「自立相談支援機関」などに事前に確認する必要があります。

 最寄りの「自立相談支援機関」は、厚生労働省都道府県のホームページで確認できます。

 https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou...Shakai/0000191346.pdf

活用できる、生活福祉資金貸付制度(緊急小口資金・総合支援資金)

 

 

 

新型コロナウイルス感染症の影響により収入が減るなどして生活資金でお悩みの方へ

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「緊急小口資金等の特例貸付」を活用してみては?

 


 元々、社会保障制度の中にあったものなのですが、今まで国民のみなさんに広く知られることはあまりなかった制度です。昨今の新型コロナウイルス感染症の影響で失業されたり営業自粛により収入減などで日常生活を送ることが厳しくなっている世帯が急増しています。

こうした状況を救済するべく急遽、各自治体が一時的な資金貸付の対象世帯を低所得世帯以外に拡大し、休業や失業等により生活資金でお悩みの方々に向け、生活福祉資金貸付制度「緊急小口資金等の特例貸付」の実施が始まりました。

 

 

 

「特例貸付」とは?どこへ申請するの?

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都道府県社会福祉協議会では、低所得世帯等に対して、生活費等の必要な資金の貸付け等を行う生活福祉資金貸付制度を実施しています。
本制度につき、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、貸付の対象世帯を低所得世帯以外に拡大し、休業や失業等により生活資金でお悩みの方々に向けた、緊急小口資金等の特例貸付を実施しています。


特例貸付の具体的な内容のご確認等は各都道府県の社会福祉協議会へお願いします。

”貸付手続きの流れ”
申込み 相談支援→市区町村 社会福祉協議会

貸付決定・送金送付→都道府県 社会福祉協議会

 

●受付開始日
3月25日(水)~

 

●申込、受付
お住まいの市区町村社会福祉協議会

 

 

主に休業された方向け「緊急小口資金」

 緊急かつ一時的に生計の維持が困難となった場合に、少額の費用の貸付を行います

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■対象者
新型コロナウイルスの影響を受け、休業等により収入の減少があり、緊急かつ一時的な生計維持のための貸付を必要とする世帯
※ 従来の低所得世帯等に限定した取扱を拡大。
新型コロナウイルスの影響で収入の減少があれば、休業状態になくても、対象となります。

 

■貸付上限額
・学校等の休業、個人事業主等の特例の場合、20万円以内
・その他の場合、10万円以内
※ 従来の10万円以内とする取扱を拡大。

 

■据置期間
1年以内
※ 従来の2月以内とする取扱を拡大。

 

■償還期限
2年以内
※ 従来の12月以内とする取扱を拡大。

 

■貸付利子・保証人 無利子・不要

 

■申込先
市区町村社会福祉協議会

 


主に失業された方等向け「総合支援資金」

生活再建までの間に必要な生活費用の貸付を行います

 

 

■対象者
新型コロナウイルスの影響を受け、収入の減少や失業等により生活に困窮し、日常生活の維持が困難となっている世帯
※ 従来の低所得世帯に限定した取扱を拡大。
新型コロナウイルスの影響で収入の減少があれば、失業状態になくても、対象となります。

 

■貸付上限額 ・(二人以上)月20万円以内 ・(単身) 月15万円以内
貸付期間:原則3月以内

 

■据置期間
1年以内
※ 従来の6月以内とする取扱を拡大。

 

■償還期限 10年以内

 

■貸付利子・保証人
無利子・不要
※ 従来、保証人ありの場合は無利子、な しの場合は年1.5%とする取扱を緩和。

 

■申込先
市区町村社会福祉協議会

 

注 原則、自立相談支援事業等による継続的な支援を受けることが要件となります。
今回の特例措置では、新たに償還時において、なお所得の減少が続く住民税非課税世帯の償還を免除することができることとしています。

 

☆自立相談支援事業とは… 本制度の基本理念(自立した生活)を実現するための中核的な事業で、生活困窮者の様々な課題に包括的に対応し、生活困窮者への的確な評価・分析に基づいて自 立支援計画=「プラン」 を策定し、関係機関との連絡調整などを行う ものである。

 ※自立相談支援事業の手引き・厚生労働省より

  

※追記

新型コロナウイルスの感染が拡大する中、厚生労働省は、生活が厳しい人の中には情報の把握が不十分で支援策を利用できていない人も少なくないとして、効果的に情報を提供するための作業チームを設置し、21日に初会合を開きました。

この中で加藤厚生労働大臣は、「緊急小口資金」など生活に困った人が当面の生活費を無利子で借りられる制度について「申請が滞っているとの指摘もあり、1日も早い融資につなげるために努力したい」と述べました。

そして現在は社会福祉協議会で行っている申請の受け付けや書類の確認などの業務を働金庫に委託する方針を示しました。

厚生労働省によりますと、委託によって窓口の事務負担が軽減され貸し付けの迅速化を図れるということで、22日から順次全国の労働金庫で受け付けを始めることにしています

 

 まとめ

 

この生活福祉資金貸付制度(緊急小口資金・総合支援資金)は、元々、住民税非課税世帯、低所得世帯に限定した取扱いでしたが、この度の新型コロナウイルスの影響で生活が困窮する世帯が急増したことにより対象枠を拡大した救済措置です。

全国民へ一律10万円の給付という対応策を現在国は進めていますが、まだまだ先の見えない状況下で生活に不安を抱える方々が多くおられると思います。

この制度は、国が公的に定めた制度ですので、是非活用して頂ければと思います。

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「特定援助対象者 法律相談援助」について

 

 

 「特定援助対象者 法律相談援助」について解説します

 

 

高齢化社会の日本、最近良く聞くのが、認知症を患った方の様々なトラブルです。

認知機能が充分でなく、法的トラブルが起きていること自体を理解できずにいるケースが多くあります。

もし、身近なところで身内の方やご近所の方にそういったトラブルが起きかけていたら、あなたはどうしますか?

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例えば、こんな時……
●督促状が家にたまっている(多重債務の疑い)

●布団や食品など同じものが大量に家にある(消費者詐欺の疑い)

●自宅の敷地内にやたらと物が散乱している(認知症状進行の疑い・近隣住民とのトラブルになる可能性)

 

など、法的トラブルが起きているかもしれないのにご本人は気付かずそのままになっている、そんな方を守る為の"法律相談"の制度があります。

 

「特定援助対象者 法律相談援助」です。

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特定援助対象者 法律相談援助って?

 

少し、聞き慣れない言葉ですが、この制度は、ご本人(トラブルを抱えているかも知れない方)を支援する福祉機関の支援者の方(福祉事務所、社会福祉協議会地域包括支援センターなどの職員)が申し込めば、法律相談が受けられる制度です。

  


支援者の方から申し込みをされると、担当地域の法テラスからご自宅や福祉施設まで弁護士さんや司法書士さんが出張で来てくれます。

みなさんが一番心配される相談費用に関しては、法テラスの資力基準を超えない方は相談料無料、超える方は5千5百円の負担で相談ができます。

 


ご本人やご家族が法律相談を希望される場合は、通常の法テラスの法律相談制度など他にご利用いただける制度がないか確認をしてくれます。詳しくはお近くの法テラスに問い合わせください。

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いつから始まった制度?

平成30年1月24日より新たに始まった援助です

 平成30年1月24日に改正、総合法律支援法が全面施行され,これにより,法テラスは,以下の「1・2」の新たな援助を行うことになりました。

 

1. 高齢者・障がい者等で認知機能が十分でない方に対する援助
(民事法律扶助の拡充)(改正総合法律支援法30条1項2号・3号)

○援助の特長

 高齢者や障がい者等で認知機能が十分でない方は,法的問題を抱えていても,自ら法的サービスを受けるために行動することが難しい場合があります。そのため,「認知機能が十分でないために自己の権利の実現が妨げられているおそれのある方」(特定援助対象者)を対象とした,以下の①②の新たな援助が開始されました。

 

① 新たな「出張」法律相談援助

○対象

 特定援助対象者であって,近隣に居住する親族がいないなどの理由により,法的サービスを

自発的に求めることが期待できない方

○内容

 対象者を支援する地方公共団体地域包括支援センター社会福祉協議会等の職員の方からの法テラスへの申入れにより,弁護士や司法書士による出張法律相談を実施する制度です。

 これまでの法律相談援助と異なり,資力のある方でもご利用可能です。ただし,一定の基準

を超える資力のある方には,相談料(5,500円)を負担していただきます。

② 弁護士費用等の立替対象の拡大

○対象

 資力の乏しい特定援助対象者

○内容

 弁護士費用等の立替援助の対象を,自立した生活を営むために必要とする公的給付に係る行政不服申立(※)に拡大しました。

 ※:例)生活保護法に基づく審査請求,介護保険法に基づく審査請求 など

 

2. DV等の被害者に対する法律相談援助(新設)(改正総合法律支援法30条1項5号)

○援助の特長

 DV,ストーカー,児童虐待の被害は,深刻な再被害へ進展する危険が大きく,早い段階で弁護士による助言が必要な場合があります。

 そのため,これらの被害を受けている方を対象とした,再被害の防止に必要な新たな法律相

談が開始されました。

○対象

 DV・ストーカー・児童虐待(特定侵害行為)の被害を現に受けている疑いがあると認められる方。(代理の方による相談は対象外です。)

 DV…………
配偶者や事実上婚姻関係と同様の関係にある者等からの暴力などをいう。*配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律1条1項
 ストーカー…
特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情等を充足する目的で,つきまといなどの行為を行うことをいう。*ストーカー行為等の規制等に関する法律2条1項
 児童虐待……
保護者がその監護する児童(18歳未満)に対し,暴力を加える,わいせつ行為をするなどの行為を行うことをいう。*児童虐待の防止等に関する法律2条

○内容

 刑事に関するものも含め,再被害の防止に関して必要な法律相談を実施する制度です。資力のある方でもご利用可能です。ただし,一定の基準を超える資力のある方には,後日,相談料(5,400円)を負担していただきます。

 

 まとめ

この制度で、支援機関の方から財産管理や相続の相談が多く寄せられ、それがきっかけでご本人の債務や成年後見の必要性がわかることも多く、弁護士と支援機関が協力しご本人の生活を立て直しています。

制度が導入され2年以上経ちます。最近は、導入当初に制度を説明していなかった支援機関から私たちの地域包括支援センターへ相談いただくことも多く、社会的ニーズを強く感じています。この制度が必要とされる方すべてに活用され、一層地域社会の役に立てるよう、今まで以上に周知活動を続けていこうと考えています。

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法テラスってどんなところ?

法テラス_ロゴ

 

■法テラスって何だろう?

みなさん、法テラスって聞いたことありますか?

法テラス(日本司法支援センター)とは,国によって設立された法的トラブル解決のための「総合案内所」なんです。

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法テラスでは,法的トラブルを抱えた方に,解決に役立つ法制度や相談窓口を紹介する情報提供や,経済的に余裕のない方を対象とした無料の法律相談などを行っています。

 

■こんな時、どうしたら・・・

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私たち国民は、日常生活の中で日頃から法律に関わる事があまりありませんよね?

毎日、平和に暮らせるのが一番ですが、そうともいかない時があります。「借金」「離婚」「相続」・・・ 。        

さまざまな法的トラブルを抱えてしまったとき,全国の相談窓口が一つになっていないために必要な情報にたどりつけないことがあります。

 

また、相談先が見つかっても、経済的な理由で弁護士など法律の専門家に相談がきず悩んでいる方や,住んでいる近くに専門家がいない等といった問題が多くありました。

 

そのような問題に対し,刑事・民事を問わず,国民のみなさんがどこでも法的なトラブルの解決に必要な"情報"や"サービスの提供"を受けられるようにしようと,平成18年4月10日に設立された公的な法人が,日本司法支援センターなんですね。この支援センターを通称:”法テラス”と呼びます。

 

私は、日頃の業務で高齢者の支援をしていますので、時々法テラスへ相談をしたり、実際に弁護士を紹介してもらい助けて頂くこともあります。

 

■ 法テラスの5大業務

 ①情報提供業務
 電話やメールでの問い合わせについて、問題を解決するための法制度や手続き、適切な相談窓口を案内してくれます。また、経済的に余裕のない方は、法テラスが行っている無料法律相談を案内してくれます。
 
 ②民事法律扶助業務
 経済的に余裕のない方が法的トラブルにあったときに、無料で法律相談を行い、必要な場合には審査のうえ、弁護士や司法書士費用等の立替えを行っています。
 
 ③司法過疎対策業務
 身近に法律家がいない地域に司法過疎地域事務所を設置します。そこにスタッフ弁護士(法テラスに勤務する弁護士)が常駐し、民事法律扶助事件国選弁護事件等に取り組んでいます。
 
 ④犯罪被害者支援業務
 相談できる窓口の案内、利用できる法制度などの情報を無料で提供し、個々の状況に応じて、犯罪被害者支援の経験や理解のある弁護士の紹介をしてくれます。
その他、被害者参加人のための国選弁護制度や被害者参加旅費等支給制度の事務も行っています。
 
 ⑤国選弁護等関連業務
 刑事事件で勾留・起訴された人が、貧困等の理由で自分で弁護人を選任できない場合に、本人の請求や裁判官の職権により弁護人を選任する制度です。
 国選弁護等に関する弁護士との契約、国選弁護人等候補の指名及び裁判所への通知、国選弁護人等に対する報酬・費用の支払いなどを行います。
 

■まとめ

 
できれば、一生お世話にならない方が幸せなのですが、このご時世、なかなかそうもいかないこともあります。実際に、自分自身や家族、友人知人に相談してもどうしたら良いか分からい時は、法テラスを利用するのも一つの方法かと思います。
私は、高齢者支援で年に数回のペースで法テラスさんに相談をしてアドバイスを頂いたり、弁護士さんや司法書士さんをご紹介頂いています。いざという時の為に、みなさんの身近な所にも相談窓口があることを覚えておいても損はないですよね。
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■法テラスについて知りたい

下記のSNSやHPで詳しく載っていますよ! 

 

●法テラス公式Twitter

法テラス公式Twitter画面

法テラス公式Twitterでは,制度情報・イベント情報・法律豆知識など役立つ情報を配信しています! フォロワー随時募集中♪

「法テラス公式Twitter」

●広報誌「ほうてらす」

広報誌 季刊ほうてらす

【第42号】

特集:「スマホと法律」

表紙・インタビュー:片桐 仁さん(タレント,俳優)

広報誌には,法的トラブル解決に役立つ情報が満載です♪
ホームページからも読むことができます。

広報誌「ほうてらす」

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パソコンなどのイラスト

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住宅改修費の受領委任払い制度について

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住宅改修を行うにあたり、皆さんが心配されるのは何よりも改修費ではないでしょうか。 

今回は、少しでも一時的な負担を軽減できる制度をご紹介します。

 

1.制度の概要

 

介護保険での住宅改修費は、改修工事を行った被保険者(利用者)が、いったん費用の全額(10割)を支払い、その後に管轄市町村に申請して自己負担分(1割、2割または3割)を除く保険給付分(9割、8割または7割)の支給を受ける、いわゆる「償還払い」を原則としています。

 

そのため、利用者は、一時的にまとまった費用が必要となり、資金面の問題から住宅改修を行うことが困難となってしまう場合があります。

そこで、各市町村では、利用者の一時的な負担を軽減し、住宅改修制度をより利用しやすくするため、「償還払い」によるほか、住宅改修費の「受領委任払い制度」というものを取り入れました。

 

2.受領委任払い制度とは

 

「受領委任払い制度」とは、利用者は費用額の1割、2割または3割のみを施工事業者に支払い、保険給付される9割、8割または7割分は、申請先の市町村が利用者から受領に関する委任を受けた施工事業者に直接支払うことにより、利用者の一時的な費用負担を回避する方法です。

 

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3.住宅改修をする事業者はどこでも良いのか?

 

 

申請先(保険者)の市町村に登録のある住宅改修事業者であることが必要です。

住宅改修の受領委任払い制度を利用する場合、「受領委任払い取扱事業者」として登録された事業者による住宅改修でなければなりません。

よくあるトラブルとして、知り合いの大工さんに頼んだが受領委任払い取扱事業者へ登録をされておらず着工後に揉めてしまうケースが時々あります。事前に確認を忘れずに!

 

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4.事前(着工前)に申請が必要です

 

住宅改修に着工する前に受領委任払い制度の利用について、保険者である市町村に申請することが必要です。着工後では、受領委任払い制度を利用することができませんので注意してください。

 

事前の申請に必要となる書類は

  • 介護保険居宅介護/介護予防住宅改修費事前承認申請書(受領委任払い用)
  • 住宅改修が必要な理由書
  • 改修工事の図面、工事費の見積書、改修箇所の写真
  • 住宅の所有者の承諾書(住宅の所有者が利用者自身でない場合のみ)など

 

 

5.まとめ

 

住宅改修と受領委任払いを利用する際は、市役所(保健者)への事前申請が必要になります。利用者の心身の状態、家屋環境や福祉用具の利用について検討し、その上で、住宅改修により期待される効果について考える必要があります。全ての申請を代理で行なってくれる取扱事業者もあります。まずは、担当のケアマネジャーさんにご相談下さいね。

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住宅改修の制度について

今回は、介護保険で利用できる「住宅改修の制度」について解説したいと思います。

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● 対象となるのはどんな人?

 

介護保険の要介護認定で、要支援1.2・要介護1〜5と認定された人が対象となります。
  
※非該当(自立)の方でも住所地のある市町村が実施する介護予防・自立支援事業などにより、住宅改修が利用できます。(詳しくは住んでおられる市町村の介護保健課、若しくは地域包括支援センター、在宅介護支援センターへ聞いてみて下さい)

 

 

● 改修費はいくら支給されるの?

 

 対象となる方の要介護状態区分(要介護度)にかかわらず、支給限度額を20万円として住宅改修に要した費用の9割が、介護保険から支給されます。また、残りの1割が自己負担として支払うことになります。

例)住宅改修費の総額が10万円の時、いったん改修費用の全額を利用者が工事施行業者へ支払い(一旦負担)、併せて市役所へ申請することで保険給付分の9割=9万円が後から支給されます。
※残りの10万円分については、また必要な時に改めて住宅改修を行う事ができます。

※要介護度状態区分が3段階以上上がった場合は再度20万円の住宅改修費を利用できます。
例)要支援1から要介護2になった場合。
     要介護1から要介護4になった場合。
     要介護2から要介護5になった場合 

 

 

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● 介護保険の給付対象となる住宅改修にはどんな改修があるの?

 

【 介護保険住宅改修の種類 】

1.手すりの取付け  廊下、トイレ、浴室、玄関、玄関から道路までの通路(玄関アプローチ)などに、転倒防止や移動補助のために手すりを取り付ける工事です。

※ 便器に取り付けたり、浴槽縁に取り付ける、いわゆる建築工事をともなわない手すりは「福祉用具貸与」または「福祉用具購入費の支給」で利用できます。


2.段差の解消  居室、廊下、トイレ、浴室、玄関などの各室間の段差や、玄関アプローチの段差を解消するために、敷居を低くしたりスロープを設置したり、浴室の床をかさ上げする工事です。

※ 屋外でも道路に出るための通路部分であれば対象となります。また、掃き出し窓、縁側と地面との段差解消も対象となります。
※ 取り付け工事をともなわないスロープや段差解消機は「福祉用具の貸与」で、浴室内のすのこは「福祉用具購入費の支給」で利用できます。
※ 階段昇降機やホームエレベーターは対象となりません。

 

3.滑りの防止及び移動の円滑化等のための床または通路面の材料の変更居室の畳敷きから板張り、ビニール系床材に変更する。浴室の床を滑りにくいものへ変更する。通路面を滑りにくい舗装材へ変更するなどの工事です。

※ 屋外でも道路に出るための通路部分であれば対象となります。
※ 階段床面にカーペットを貼り付けたり取り外すことは、目的が「滑り防止」であれば、どちらも対象となります。
※ 滑り止めマットを浴室その他に敷くだけでは対象となりません。

 

4.引き戸等への扉の取替え 開き戸を引き戸や折り戸、アコーディオンカーテンなどに取り替える工事です。扉全体の取替えのほか、ドアノブの変更や戸車の設置も含みます。

※ 自動ドアにした場合、動力部分にかかる費用は対象となりません。
※ 門扉も対象となります。
※ 重い戸を軽くする改修も対象となります。

 

5.洋式便器等への便器の取替え 和式便器から洋式便器(暖房便座、洗浄機能付きも含む)へ取り替える工事です。

※ 洋式便器の向きを変える工事も対象となります。
※ すでに洋式便器の場合は、暖房便座や洗浄機能付き便座に取り替えることはできません。
※ 据え置きの腰掛便座は「福祉用具購入費の支給」で利用できます。

 

6.その他1〜5の住宅改修に付帯して必要となる住宅改修   

   ア.手すり取付けのための下地補強
   イ.浴室の床の段差解消に伴う給排水設備工事
   ウ.床材の変更のための下地の補強や根太の補強
     または通路面の材料の変更のための路盤の整備
   エ.扉の取替えに伴う壁または柱の改修工事
   オ.便器の取替えに伴う給排水設備工事、床材の変更

 

 

 

● 改修費は新築や増改築の場合には支給されません

 

あくまでも、利用者が日常生活を送る上で生活動作に必要とされる玄関や居室、トイレやお風呂、更に生活導線の段差解消など、改修する場所は限定されます。

 


● 老朽化したから改修というのは対象となりません

 

利用者の生活動作の自立や安全性の確保を目的としているので、屋根の雨漏りや洗面所の水漏れ修理はできません。 

 


● 住宅改修費の対象外の工事をあわせて行ったときは?

 

全体の施行箇所の内、対象部分の抽出、按分など適切な方法により、住宅改修費の支給対象となる費用を算出します。

 

● まとめ

 

 

住宅改修を行うには、市町村の担当窓口への事前申請が必要になります。利用者の心身の状態、家屋環境や福祉用具の利用について検討し、その上で、住宅改修により日常生活で期待される効果について考える必要があります。リハビリをされている方はリハビリの先生に相談されるのも良いかと思います。福祉用具の専門相談員もいますので、まずは、担当のケアマネジャーさんにご相談下さい。

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